特攻花
佐那河内村の徳島市寄りの神社近くの一角に、道路脇の花壇が黄色くなっているところがあります。
これは、オオキンケイギクという植物です。
鹿児島県の大隅半島にある鹿屋市(かのやし)では、この花を「特攻花(とっこうばな)と呼んだ時期があります。それは、この花が太平洋戦争の末期、海軍の飛行場であった鹿屋基地から、沖縄の空に向かって飛びたって行った特攻隊員にゆかりのあるものである・・という話が広まったためです。
特攻基地として有名な鹿屋は海軍の飛行場、薩摩半島側の知覧(ちらん)は陸軍の飛行場で、どちらからもたくさんの若者が特攻隊員として飛びたって行ったところなのです。鹿屋は現在でも海上自衛隊の基地なので知覧ほど有名にはなっていませんが,海軍の大きな航空基地だったのです。
しかし、この植物は、戦後日本に入ったアメリカ原産のオオキンケイギクで、太平洋戦争当時にはあったはずもなく、どうしてそういう話になったのかわからないのです。でもそのいわれのために自宅に植える人が多く、どんどん広がってしまいました。もちろん、この植物のスタートがここであるということではないのですが・・
現在ではほぼ全国に広がってしまい、ほかの植物をおしのけてしまうほど勢いを持つために、特定外来生物に指定されてしまいました。つまり、植えたり、移動させたり売買などをしてはいけないのです。
鹿児島でなぜ特攻花などと呼ばれたのかは分かりませんが、今では逆に邪魔者とされてしまいました。徳島県でも川の堤防や、高速道路沿いののり面などにはものすごくたくさんこの植物が見られます。もう今からではとても全てを除くことは無理だと思われます。
佐那河内ではまだこの一角に多いだけで、それほど広がってはいないようです。役場の環境関係の方々を中心に、分布拡大にストップをかけるならいまのうち・・だと思うのですが。
今日はまじめだなー