あったかいんだから・・
これもまた徳島ネタではないのですが、越冬のはなしです。
最近、四国でも公園や高速道路のサービスアエリアなどによく植栽されるようになったマテバシイというドングリのなる木があります。この木の新芽を幼虫が食べるチョウとして、ムラサキツバメというシジミチョウの仲間がいます。このチョウもマテバシイは元々徳島は少ない木でしたが、どんどん植えられていくので、最近はかなりこのチョウが増えています。このチョウの越冬は成虫で、広い植物の葉に止まって集団で冬を越すのが知られています。多いときには数十頭が一緒に越冬しています。ただ暖かい日には飛び回って,夕方になるとまた集まってくるというような冬越しで、天気のいいときにはそれぞれがいい場所を探して動き回ることもあります。
左には3頭一緒に集まっており、右は天気のいい日の昼間、動き回って太陽を浴びている個体です。
下のチョウはタテハモドキというタテハチョウ科の一種です。
このタテハモドキは、1960年代には鹿児島でもほとんど見ることはできない南方系のチョウでした。
それが1960年代後半から70年代に大隅半島から宮崎県にかけて北上し、定着しました。それでも薩摩半島にはなかなか分布を拡げることができなくて、定着し始めたのは1980年代です。何が原因で北上していったかはわかりませんが、宮崎県では、早期作のあとに水田にはびこる幼虫の食草であるスズメノトウガラシという植物を利用できたからであろうと考えられています。しかし、薩摩半島を北上していったのはそれだけでは説明できないと思うのですが・・
温暖化の一つの例としてもよく使われるチョウです。
裏は枯れ葉の模様なのに、表は鮮やかな模様を持っています。これも成虫で越冬するチョウの一つです。ハネを閉じると枯れ葉などに紛れてしまいますね。