キジョラン

キジョラン・・日本の関東から西の低地にあるツル植物で,本州,四国,九州のアサギマダラは,冬にも枯れないこの植物で越冬します.といっても成虫(親)ではなく,この植物を利用するのは幼虫です.11月ころからメスが産卵し,卵から孵った幼虫は1令から3令くらいでこの葉の裏で過ごしています.冬にも枯れない食草としては本州から九州本土では,このキジョラン以外にはありません.南へ行くと違った植物も利用しますが,ほとんどはこのキジョランで育ちます.
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ちょうど今頃,種子ができています.さやの大きさは12-13センチくらいで,中に種子がびっしりと詰まっていて,種子の一つずつに白い綿毛のようなものがついていて,これで遠くへ飛んでいきます.この白い毛が,鬼婆の髪の毛を連想させるというひどい理由でキジョラン(鬼女)だそうですが,いまだと問題になりそうな和名です.
昔はガガイモ科といっていましたが,今はキョウチクトウ科とされています.
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最後の写真はサヤの基部をアップにしたもので,このように茶色の種子が綿毛がついた状態でたくさん並んでいます.その上の右側の写真は種子1個です.綿毛がついています.

幼虫は2令から3令くらいになって,寒さに耐えています.これが4月下旬頃に成虫になるはずです.でもクモ,アリ,ハチなどのいくつもの天敵,葉に産まれたヤドリバエの卵を食べていれば,中からハエに食べられてしまいます.昆虫も生きるのは大変ですね.